今日から、美桜はちゃんと
ひまわり院に帰って、
学校に行った。



俺は退屈にあくびをしながら
美桜を待つ。




なにも変わらない、日常。






4時半。美桜がいつも来る5時より
ちょっと早い時刻。



やってきたのは、翔琉だった。







「ひさしぶり」


「ひさしぶり、じゃねぇーよ
家出息子め」




だから、こーゆうくだらない会話が
ひさしぶりなんじゃん。

俺はそう思いながら
クスクスと笑う。



「驚かすなよ。
駆け落ちなんてすると思わねーし」



「心配した?」



「する訳ねーだろっ。ばぁ~か」




「俺はしたんだけどなぁ。
翔琉の心配」




「はぁ?なんでお前なんかに
心配されなきゃなんないんだよ」




「翔琉、すぐ泣くから」




「泣かねーしっ」




嘘じゃん。
目赤いし。

バレバレだっての!



「てゆーかお前!
美桜さんとどうなったんだよ」


そそくさと話を反らした
翔琉が、缶コーラを飲みながら
訊ねる。


「あー。戸籍は移さないって
じゃないと
俺ら結婚できないし」



「けっ…………………!!?」