「……………………楓」






意識しなくても、
勝手に零れた言葉。




でも今なら…………
楓なら。






きっと返事をしてくれるはずでしょ?





私は、弾かれるように立ち上がって
楓の白い右の手のひらを両手で
包み込むように握る。





「私だよ…………美桜だよ!
楓…………楓!」





私の行動に、しばらくキョトンと
していた二人だけど
次第に、二人も
楓の名を呼び始めた。









このままなんていやだよ、楓。

戻ってきてよ……………。



私、まだあなたに言えてない。




私も、楓の姉で良かったって……………












だから…………………………………っ