二人の行方が分からなくなって、
もう4日が経った。





あの日の夕方、いつものように
楓の見舞いに行ったら
散らかりまくった病室の床に
手をついて
楓の母ちゃんが啜り泣いていた。




その後やってきた雪梛と
楓の母ちゃんを問い詰めて
全ての話を聞いた。





正直、思った。
ふざけんなよって。









だってそんなん…
そんなのねぇだろ。




俺は、幼稚園児の時から
アイツを見てきたんだぜ?




元々病弱で産まれてきた楓は、
小4の時に腎不全になって
それから一度も涙を見せずに
死と隣り合わせで闘ってきた。


そんな楓が、初めて人の命を
救った。
そして、恋をした。


そんな相手が、
姉貴だったんだぜ。



美桜さんも楓も
これ以上に無いほど苦しんでるんだよ。




もう、苦しませんなよ。




だけどさ、楓の母ちゃんが
このこと警察届けらんない気持ちも
わかるよ。


自分のせいだって、
後悔してるんだよな。