「私の温もりとかいいから、
セーター着ようよ
シャツじゃ寒いでしょ?」



「あ、なら確か此処に………
──────っ!」




話の途中で突然、
胸を押さえて床に崩れる楓。






「楓!!」






息のしかたが分からなくなったような、
荒ぶる呼吸。


あの時と……おんなじだ。





でもあの時は…………
先生と看護師さんが居た。







「楓!大丈夫!?」






駆け寄ってその身体を支える。


「……平………気………………」


そんなはずない。


「ごめん…………吐きそうだから……
美桜は………外に出てて………」


そう言って洗面台に
手をつく楓。


「嫌!私もここに居る!」


わがままを言って、
嘔吐してしまう楓の小さな背中を擦る。



こんなことぐらいしか…………
私には出来ない。











一体、どの位の早さで
運命は彼を奪ってしまうのかな……?









今は、考えたくもない。