行き先なんてないままに、 闇雲に夜の町を駆け抜ける。 夢中に走っていたら、 足がもつれて河原へ転げ落ちた。 「………いっ……た………」 手のひらが草で擦り切れて、 血が滲んでいた。 私は…………… なんて嫌な奴なんだろう。