帰りのバスは、疲れたのか、眠る人が多かった。 ブランケットの下、一度だけ広重と手を繋いだ。 すごくドキドキしてしまった。 寝てる振りを広重はしていたけれど。 内心は、私が焦っていると笑っているに違いない。 やっぱり憎めない。好きが勝ってしまう。 急に目を開けた広重と、無言で目が合った。 彼の瞳の中の私は、素敵だと彼は言った。 目が合う度、私は。 こうして、広重に好きだって気持ちを引き出されて行くんだ。