強引な彼との社内恋愛事情*2


「おはようございます」


広重を見て、変な顔をした。それはそうだ。田原さんの席だったのだから。


「席、変わって貰ったの?」


「うん。特等席」と広重が自慢気に言った。それを見て、またあの含み笑いをした。


声にはしなかったけど、「良かったね」と口が動いた気がした。それから、そのまま、後ろの席へと消えた。


良かったねって、どういうこと?と、横目で広重を見るけど、変わらない笑顔。


内心、バレてしまうのではないかと、不安がよぎるけど。


「もう」と、取り敢えず、困ったふりをしながら、話しかけてくる広重にちょっと冷たくしながらでも一緒にいれたことが、嬉しかった。


それから、最終コースの湖畔を広重と見て回った。


村上くん事情もあり、結局、水谷さんと金子さんといった総務の女の子も数人混ぜてだけれど。