強引な彼との社内恋愛事情*2


「そろそろ戻ろっか?」と、私を抱き締めたままの広重に言った。


首を縦にも横にも振ることなく見つめる。


「いや。それにしても……」


「え?」


「千花さんの浴衣姿、やばい」


「はっ?」


「これこそ、封印したいです」


「なに言ってるの。ばか」


「千花さん、今度2人きりで温泉ね」


「温泉?行ってあげてもいいけど?」


「あ。その前に花火大会、行きましょう」


「花火大会?」


「うん。とりあえず、浴衣着てほしい」


「や。ちょっと、広重……やっ……」


そう言って、私の胸元に小さな印をつけた。