強引な彼との社内恋愛事情*2


「俺、言わせてるんじゃないですよね?」


「言わせてないよ」


「もう一度、言ってよ。俺の名前」


「……嫌だ」


「言ってくださいよ」


「嫌だったら、嫌」


「千花さん、言って」


「嫌」


「お願いします」


恥ずかしいのに、根気のある甘い囁きに負けてしまいそうになる。


「か……」と言いかけたときに、スマホが鳴動した。田原さんからだった。


「わ……」


そうだった。お手洗いと言って、二次会を抜け出して来たんだった。


思わず広重と見詰め合ってしまった。


「スナックカジマヤに戻らなきゃ」


「なんすか?その聞き覚えのある店?」


「二次会の幹事を任されてさ」


なかなか切れない、田原さんからの着信。広重が私の手からスマホを奪った。


「ちょっと」


「とりあえず、封印」


そう言って、私にキスをした。