強引な彼との社内恋愛事情*2


それから、抱き締められた。ズキズキするのに、やっぱり、心臓は正直だ。嘘がつけない。


悦びを感じるように、跳ねたから。


それからじんわり、私を温める。


だって、腕の中は寂しさに優しさを降り注いでくれるみたいなんだ。


逃げたかったのに、足も身体も動けなくなる。


「そんなことない」と広重が囁いた。


「……だって。私みたいな地味な女のどこがいいの?」


「地味じゃないでしょ?」


「ひ、広重は水谷さんみたいな、目立つ女の子が似合うのに?」


「それが、本音なの?俺と似合わないことがいちばん不安だったの?」


「違う」と言ってから、考え直して「違わない」って言い直した。