強引な彼との社内恋愛事情*2


「俺は、千花さんの嫌なことをしたくないと思う。意思はありますよ」


「でも言ったって出来ないことだってあるでしょ?」


「出来ないこと?」


「例えば、他の女の子と話さないとか」


「あー……」と、眉根を寄せた。


たぶん、言われたくないことかもしれない。


いまどきの女子高生だって言わないかもしれない。いい大人が束縛しようとしてるみたいだ。それに無理がある。


男と女しかいない世の中で、関わらないなんて。


というか、言いたいことはそこじゃない。なんで遠回しにしか言えないんだろう。


そっか、いつだって、察してほしいだけなんだ。


「例えば、だよ」ともう一度、言った。


私を不安にさせないで、って広重に言ったって不安になるのは自信がないからだ。どうしようもない。


だから今度は、「さっきの例え話は忘れて」と言った。


「ただね。私が赦せないのは」


「赦せないのは?」


「私に谷くんと話してヤキモチ妬いたとか言うくせに、広重が他の女の子と仲良くしたりしてることだよ」


言い終わって、ドキドキした。顔を見るのが恐かった。子供だって、思われたかもしれない。