強引な彼との社内恋愛事情*2


「そういうことしないで」


「すみません」


私が黙ると、「歩く?」と訊いた。


「見つからない?」


「他に社内恋愛中の奴と、外に呑みに行く人がいなければ大丈夫だと思いますけど」


「じゃあ、少しだけ」と、橋の方へと歩いて行った。


喧嘩腰で話さないようにって、自分に言い聞かせながら。


しばらく黙ってた。橋の真ん中ら辺まで行って、「千花さんは、なにが不満なんですか?」と広重は言った。


「不満?」


「うん。だから、谷さんとご飯に行ったんじゃないの?」


「なに言って……?」


「違うんですか?」と、言う声は本気に思えた。


「そんなわけないじゃない」


「じゃあ、なんで2人で食事に行ったんですか?しかもそれを隠してたのは理由があるからでしょ?」


「隠してたんじゃないよ。別にやましいことがないから言わなかっただけ」


「俺は言って欲しかったけど」


「それは、ごめん」と謝った。


「本当に何もないんですか?」


「何もないよ」と言い返すと、責める代わりに「この前、言ったこと覚えてる?」と広重は言った。