強引な彼との社内恋愛事情*2


一瞬、頭が真っ白になった。


だけど、引っ張ったその腕も声も広重だってわかったから、恐くはなかった。


「ちょっ……なにす……」


「しっ」と人差し指を立てて、黙らせると、広重は身をかがめながら私を抱き寄せた。


「ひ……ろ」


「千花さん。人が来るから黙って下さい」


人の話声が段々近づいてくるのがわかった。


会社の人だとしたなら、見つかってしまうのは困るのだけれど。


たぶん男女。なら、恋人だろうか。


こんな時間に会うなんて、そうとしか思えない。