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「結構、広いお部屋ですね」
バスが温泉街に着くと、硫黄の匂いが鼻についた。
宿泊先は渓流沿いに建つ旅館。なかなか眺めは良かった。橋がかかっていて、どうやら向こう側の温泉街にも渡れるらしい。
「ちょっと散歩に行きたいね」
「向こう行けるんじゃん」
同じ部屋の女の子達も楽しそうに窓から外の景色を見てはしゃぐ。
「外、行こっか?」と誰かが言ってから、「遠山さんはどうしますか?」と訊かれたから、首を横に振った。
メールを問い合わせしても、返事はまだこなくて。
ひとりになったというのに、落ち着けなかった。
「ばか」
今、なにしてるんだろう。
散歩に行ったりしてるのかな。
近いのに、返事がないだけで遠い。



