強引な彼との社内恋愛事情*2


「なんですか?」


「広重が心配してたけど」


「え?」


「これあげるから、隣の席にしてください、だって」


「え?」


「って、このタバコ。村上のなんだけどな。だから、断っておいた」と笑うけど、ちゃっかり貰っているし。


「それは、盗んだということでは?」


「ん?違うな。断ったんじゃないな。遠山がいいって言ったら変わってやるって言ったんだ」


「え?」


「どうする?」


一瞬、笑ってしまいそうになったけど、同時に疑ってしまう。本当にそんなことを言ったのだろうかって。


だけど、「やめてくださいよ。そういうこと勝手にするのは」といつものように言ってしまう。


「またあいつ振られたか。じゃあ、このタバコ、返さないとな。まあ、2、3本しか入ってないけど」と宙に振った。


「そうして下さい」


「そろそろいいんじゃないの?広重を試してみても」


「だから、社内恋愛は懲りました」


田原さんは、呆れたような溜め息を吐いた。