強引な彼との社内恋愛事情*2


会場は外だった。


大きなプールを目の前に、ぽつぽつと席に人が座っていた。


家族連れも、ちらほら見える。


「いちばん前行くか?」


「いちばん前は、水が、かかりやすいのでは?」


「あ、そっか。じゃあ何番目がいいかな」と、探す。


「おー。広重」


田原さんの声にドキッとした。


その視線の先にいたのは、広重に間違いない。


間違いないけど。


村上くんと水谷さんと金子さんと並ぶように座っていた。


「隣、空いてるか?」と、田原さんが広重の隣に座ろうとするから着いて行くしかなかった。


広重の肩越しに「お疲れ様です」と高めの媚びたような声で笑いかける水谷さんが見える。


笑い返すなんて、できなくて、「お疲れ様」と素っ気なく言って、座るのがやっとだった。


謝ろうと思ったのに、やっぱり広重は無神経だ。


昨日の今日で、なにも変わってない。