強引な彼との社内恋愛事情*2


館内に入るなり、「わあ」と歓喜の声をあげてしまった。
いつぶりだろう、水族館。


アーチ型の水槽。見上げると、小魚の群れが一直線に泳いでいるかと思えば、小さめのサメも一緒に混ざって泳いでる。


強いもの、弱いものが同じ水槽の中に共存してることがなんか不思議だった。


「小魚たち、サメに食べられないんですかね?」


「そのサメは草食系だからな」と田原さんは真顔で言った。


「真面目に答えてくださいよ」


クッと笑ったかと思うと、「遠山、なんか子供みたいだな」と優しい目をするから恥ずかしくなった。


「す……すみません。久しぶりに来たせいだと」


「謝んなくていいんだよ」


そう言って歩調を合わせてくれているのか、ゆっくり進んでは立ち止まる。


私を子供みたいと言ったけど、見ろ、遠山と何度も呼び止めては、この魚、マネージャーにそっくりだとか言ってくる田原さんのほうが子供みたいだ。