強引な彼との社内恋愛事情*2


どうしているの?


さっきまで、カラオケにいたはずなのに。


目の前にいる広重に、驚きすぎて声にならなかった。


ずんずんと私に近寄る。


「どうしてだよ?」


「え?」


「なんで俺のこと、シカトするんだよ?」


「なんで私より早く来れたの?」


「好きだから」


「はっ?」


「千花さんのこと、好きだから。会いたくて飛んできた」


そう言うと、気が抜けて崩れ落ちそうになった私を勢いよく抱き締めた。


「あんな態度されたら気になって、飛んでくるに決まってるでしょ?」


「い……家の前。やめてよ。ていうか、答えになってない」


「千花さんだって、答えてくれてないでしょ?」


なんで?と耳元で囁いた。