だから、広重風に言えば、と、呟いた。
「水谷さんに私の目をあげてみたい」
「え?」
「自分の見方が180度変わると思う」
なんて、受け売り発言なのに、偉そうねと笑ってみた。
でも、本当にそう思う。
なんで、こんなことで悩んでるの?と、私の目をあげたら、思うに決まってる。
世界は、きっと明るくなる気がする。
だって、見える世界なんて、自分ひとりのものだ。
それを明るくするか、暗くするかは、自分次第。
例えば、こんなことを言っておきながら、広重に彼女扱いされていないくせに、と水谷さんが、心内で笑っていたって、私を変で可哀そうな人だと憐れんで思ったりしていたとしても、私には関係ない。
大切なことは、今、言いたいと思った私が、言えたことにある。



