強引な彼との社内恋愛事情*2


「……信じて裏切られたら傷つくとか思うから、悪いこと、最初から考えて守っちゃうことってあると思うけど」


「はい」と頷く。


「いいことを信じて傷つくことって悪くないと思う。今は、そうありたいかな」


言い切って、浮かんだのは、広重の顔だった。


私、どうして、不安に思っていたんだろう。


こんなに、私を支えてくれていたのにと、知っていたのに。


言葉や、温もりとか、存在とか。


忘れたくないこと、いっぱい貰っているのに。簡単に忘れてしまうなんて。


「だからね。もしかして、谷くんが好きだって言ったことも本当かもしれないじゃない?水谷さんが、否定していただけで」


「そう、ですかね。明らかに興味なかったですよ」


「そこしか見えなかったんじゃないのかな?」


なんてね、と、また少し恥ずかしくなる。


「水谷さん、よくかっこいいとか言ってくれてたけど、全然かっこよくないでしょ?」


そう言うと、また肩の力が抜けた。こうして、もがいているのが、本当の私だからかもしれない。


全然、かっこよくない。かっこよくなくていい。


だけど私は、信じたい。こんな自分を。