強引な彼との社内恋愛事情*2


「苦しかったね」と、ようやく声になった。小さく頷いた。


苦しかったんだろうな。好きな人といても、思われていないと考えながら、付き合うことは。


付き合うと、確かな気持ちばかり求めてしまうんだ。


「あのね。水谷さん。私も水谷さんと変わらないと思うんだけど」


「はい」


「広重のことが信じられなかったことがあったんだ。その…。水谷さんのほうが似合ってるし、仲いいし。おまけに私なんか、全然広重と似合わないって思っていたから。自信なくてね」


「そんなこと」


「ないって、人には言えるわよね」


そう言うと、黙った。


「あのね。広重がね、教えてくれたの」


そう言いながら、迷った。言うのが好き並みに恥ずかしいと言えば、恥ずかしいことだから。


だけど、彼女にも、言ってあげたい言葉だと思った。


「ちょっと恥ずかしいんだけど」と、前置きをして、声を潜めた。