強引な彼との社内恋愛事情*2


谷くん、わかってないんだ。私がどんなに嫌われてるかって。


「あ。お疲れ様です」と気づいた数人が、声をかけてくれたけど、なんとなく素っ気なく感じる。


まあ、いい。今だけ我慢すればいいんだ。


「お疲れ」と手前のソファに腰をかけた。


ふっと奥を見ると、私が来たことに気付いていない広重が、水谷さんと楽しそうに肩を並べて話していた。


「遠山さんも思ってるんでしょ?」


谷くんが言った。


「なに?思ってるって?」


「あの2人、付き合ってるのかなーって?」


見つめる先が一緒だった。


「あの2人?」


しらを切ってみたけど、谷くんはどうでもいいみたいで、「仲良いですよね」と、呟いた。


「そうね」


「一次会も、あんな感じで」


「……へぇ」と素っ気なく言った。


「遠山さんもそう思っているのかと思いました。あ、なに呑みます?」


「あ。どうしようかな」


言いながら、胸の上になにかが覆いかぶさったみたいに重くなった。


そう見えるのは、私だけじゃないってことがわかってしまったからだ。