強引な彼との社内恋愛事情*2


帰りは、星野さんと田原さんと私が並んで駅まで向かっていた。


星野さんは、すごく上機嫌だ。


思いかえせば、お酒には手をつけていないのに、テンションはお酒を呑んだ人と同じくらいだから、すごいと思う。


「星野さん。お酒、呑めないんですか?」と、訊くと、「実はね。できちゃって」と、お腹をさすった。


「え?」と、反応したのは、田原さんだ。


「田原さんのところと同級生だよ」と、笑う。


「それにしても」と、田原さんは言った。なにが起きるかわかんねーなと。


あんなに気持ち悪いとか言ってたのに、と。皮肉めいた直球ストレートな疑問。


「ああ。言ってたね」と、頷く。


「私も、まさか、好きになると思わなかったけどさ」


「ぶっちゃけ、どこがいいんだよ?」と、田原さんは訊く。


「うーん。優しいところかな」と、さらりと言った。


「優しい、ねえ」


「私には優しいし。うん。部下には嫌われてるのわかるんだけどさ。私にとっては、やっぱり、いちばんいい人なんだよね。人にどうこう言われても。結婚したいと思えたのも、彼くらいだし」