「じゃあ、一応そう伝えておいて貰える?幹事って誰?」
「広重ですよ」
言葉を失いそうになった。
だって、一言も誘われていなかったからだ。
なにそれ。
新しい人はどう?なんて話をしてたくせに、そういうことは誘ってくれないんだ。
いや、誘わなくてもいいけど、あるということくらいは伝えてくれたっていいのに。
だからといって、自分から、「どうして誘ってくれなかったの?」なんて言えるわけもない。
後で言ってくれるのだろう、と、私からはなにも言わないでいた。
数日後。
広重から、「千花さん。歓迎会来れるんですね?」と、会社のフロアで言われた。
「え?」
「谷さんから聞きました」
「あ。うん。顔だけでも出そうかと考えてたけど」
「千花さんに来てほしいです」
そう言って笑うから、私を誘わなかったことに対して特別な意味も、なにも思ってもいないように見えた。
広重が誘わなくても誰かから声をかけられると思っていたのかもしれない。
そんなことで悶々していた自分が、ひどく心が狭い人間みたいだった。



