「田原さん?」
「あんま肩に力いれなくていいから、楽にいけよ」
「いれてませんよ」
「ヅラ課長は、あれだけど。人当りいい奴多いし」
「……はい」
言いたいことは、わかる。
いちから築く人間関係程、疲れるものってない。
ましてや、私はこんな性格だから。
「遠山」
「はい?」
「タバコはやめるけど、酒はやめないから」
「お酒臭いパパは嫌がられるのでは?」
「そんな子に育てねーよ。だから、まあ、また呑みに行くか」と、笑って、外に出て行った。
そうだ。広重にメールしておこう。
話したいことがあるって。
異動とか。そういうことは前もって知りたいことだろうし。
でも、今日は会えないか。休みの日がいいか。
迷いながら、スマホを手に取ると同時にドアが開いた。
「わっ」と、必要以上に驚いてしまう。
谷くんだった。



