「なんか、わかんないけど。広重とくっついてたら、大切だなって思って。寂しくなっちゃった」


「なんで?」


「いなくなったら、寂しい」


「いなくならないよ」


そう言って、ポンッと私の頭を撫でた。


「いなくならない?」


「うん。一生かけて千花さんといるから」


「うん」


「千花さんは?」


「え?」


「一緒にいてくれるの?」


見つめられて聞かれるものだから、恥ずかしくて目を逸らした。


「そんな可愛いこと言うのに、そういうところで、照れるんだ」


そう言って、キスをした。


優しさを感じ取れたせいかもしれない。


スルリと心を縛っていたリボンがほどけたような気持ちになるから、言葉だって簡単にこぼれ落ちる。


「いるよ」


「ん?」


「一生、一緒にいる」


だから、はっきり言えた。