強引な彼との社内恋愛事情*2

「嘘?」


「あ。今、疑ってるとかじゃないですよ。千花さんの笑顔見てたら、今思ったんです。なんでも言って、笑ってほしいなって」


「広重」


「突然、来てごめんなさい」


「ううん」


「じゃあ」と、帰ろうとするから、思わず裾を引っ張った。


「泊まってかないの?」


「あ。なんか、なにも持たないで来ちゃったから」


「あ。そっか」


会社帰りに、そのまま来たわけじゃない。私服姿の広重。


「本当は、泊まりたいけど」


「うん」


「じゃあ、おやすみなさい」


「おやすみ」


キスをして、ドアから見送った。


言えないことが、降り積もってる。彼の笑顔を騙してる気がして、いたたまれないのに。


言うことを選べなかった。