強引な彼との社内恋愛事情*2


「まあ、まだ結婚のことも、ごく一部しか知らないから、遠山のとこで止めておけ。急に言われるよりいいかなって思って。お前、最近頑張ってるから、拍子抜けしたら困ると思って言ったまでだ」


「え……だって」


「大丈夫だよ。お前なら」と、笑うけど。


異動、か。


まさか、このタイミングで言われるとは思っていなかったけど。


「たぶん、年明けとかになるんじゃねーかな」と、顎を撫でた。


「そうですか」


こんなときに、広重の顔が浮かんだ。


一緒に仕事が出来るのも、今のプロジェクトが最後になるのか。


「やっぱ、嫌か?」


「い、いいえ」


かぶりを振った。


「あの星野の後任、任せられるんだから、プレッシャーだな」


「まあ、仕事が出来ますし人望もある方ですからね。って、決まる前から、プレッシャーかけないで下さいよ」


「いや。たまには、お前の困ってる顔とか見てみたいと思ってさ」


「なんですか、それ?」


「なんでも出来るような顔、しなくていいから。困ったらいつでも言えよ」


「え……?」


「そういうとこ、可愛くないとか言われるぞ」