強引な彼との社内恋愛事情*2


「はい?」


「前、うちの事業部いた星野憶えてる?」


「ああ。星野さん?えっと、今、本社勤務でしたっけ?」


確か、私よりみっつくらい上だった気がする。


気が強くて、きれものといったタイプの女性だったな。


「そうそう。実は、結婚するらしくてさ。おまけに寿退社」


「寿退社?」


「意外だろ?」


「ですね。なんか家庭におさまるイメージありませんもんね」


「で。実はさ、あの課長と実はできてたみたいで。ヅラ課長」


「えっ?ヅラ課長と?」


ヅラ課長というのはもちろんあだ名だ。本人の前では言えないけど、いかにもカツラでしょと言いたくなる不自然なヘアスタイル。


「そうそう。驚いたんだけどさ」


「お……驚きましたね」


「星野、課長気持ち悪いとか、あんなに言ってたのにさ」


「はあ」


「で、だ。たぶんなんだけど。遠山、そっちに異動になるんじゃないかって」


「えっ?」


「そんなことをさらりと訊いた。星野の後任ってことだな」


「い……異動ですか?」