「私、仙台からこっちに来たときびっくりしたの」
「なにがですか?」
「仙台だとピーチウーロンのことレゲエパンチって言ってたから。全国共通のものだと思ってたら、違くてびっくりした」
「レゲエパンチ?」
「略してレゲパン」
「なに入ってるか想像つかない名前ですね」と、くだらない話なのに、ここでも敬語で笑ってくれた。可愛い笑顔だと思った。
それなのに、なんだか無理させてごめんね、と言いたいのに言えない。
「新しい人どうですか?」
「新しい人?そうだなー」と言いながら、数人の顔を浮かべてみた。
「谷さんとか、かっこいいですよね」
「あ。谷くん?そうだね」
訊いてきたのは仕事じゃなくて、顔のこと?
なに言ってんの?と思いながら、ほっけをほぐした。
「ですよね。男の俺でも思いますもん」
「そうなんだ。じゃあ、平均以上にかっこいいんだろうね」
私が水谷さんを思う気持ちと一緒か。広重でもかっこいいとか思うことがあるんだって、不思議。
私から見たら、広重のほうがかっこいいのにな。
やっぱり、これも言わないけど。



