なのに、「え?」と、ひどく驚かれた。
「なんでそんなに驚くのかな?」
「遠山さん、社内恋愛したことあるんですか?」
「知ってて訊いてきたんでしょ?」
「知りませんよ」
「違かったの?」
なにもかもが読み間違えだったと気付いた頃には遅かった。
「あ……あの」
「ん?」
「誰と付き合ってたんですか?」
「もう辞めちゃった人。そっか。みんな知ってるから、知ってるんだと思ってた」
開き直って言うしかなかった。墓穴を掘るってこういうことだ。
「あ。ごめんなさい。なんかボーッとして変な質問をしたみたいで……」
気まずさを読み取ったように謝られた。
「ああ。まあ、いいよ。過去のことだから」
「やっぱり、ダンディズムな方だったんでしょうか?」と、訊かれると、すごく言いにくい。
「……年下」
「年下?」と、やっぱり驚かれた。
「ごめんね。イメージとあわなくて」
「年下派なんですね。意外です」



