隣のフロアに顔を出した。進捗の確認をしながら、猪俣くんのデスクに、目をやった。 准一から、なんの話も聞いていないんだろうな。 特に噂がたっているようにも感じないし。 私はともかく、広重だったら、誰かしらにそれとなく言われたりするだろう。 そんなことに気がつかないような人じゃないだろうし。 広重もなにも言ってこない。 そもそも、広重と私が同じ会社で働いてるなんて、准一にはわかるはずがないんだ。 海で会ったことなど憶えていなかったのだから。 そこで、やっぱり、安心してしまった。