強引な彼との社内恋愛事情*2


「彼女、忙しいのね」


「まあ。同業だから、忙しいのもわからなくもない」


「もしかして、同じ会社?」


「会社は違います。前のお客さんなんですけどね」


「へえ」


「ていうか、会社、近いんですよ。ここから」


「そうなんだ」


「一緒、住んでても、会社近くても、なんですれ違うんすかね」と、少し切なげに呟いた。


「うまくいってないの?」と、訊いてみたけど、ぶしつけではなかっただろうか。


だけど、谷くんは躊躇うことなく「うまくいってないです」と、はっきり言った。


「え」と、言葉に困ると、「だから、俺の心の癒やしは、この前貰ったパグの写メ」と、スマホの待ち受けを見せてくれた。


あ。私も、待ち受け一緒だ。


「でも、さっき可愛い姪っ子の写メが送られてきたから、変えようか、すっげー迷ってます」


「姪っ子?」と、言うと、見せてくれた。


ピースをして、微笑む。指が真っ直ぐできないのかお辞儀をしてるみたい。可愛い。2、3歳くらいだろうか。