「今日、会社の子達と海来てたんだけど、行ってみたら?」
「あー。でも、人変わっただろう?」
「まあね。でも金子さんとか張本主任とか、やめてない人もきてるし」
「うわ。懐かしい」と、本当に嬉しそうに顔をほころばせた。
「顔だしたら、喜ぶんじゃない?」と、心にもないことを言う。
「あー、うん。でもいいかな。たまに連絡とったりする人もいるし」
「そう。じゃあ、私は行くね」
「あ、待って。千花はさ」と、彼が言うと同時に遠くから「千花さーん」と広重の声がした。
振り返ると広重がこっちに向かって走ってる。私の目の前に男がいるせいか、ちょっと不審そうな顔にも見えた。
「誰?」と准一は聞いた。
「あ。会社の子」と、嘘じゃないけど、彼氏とは言わなかった。
言いたかったけど、会社の同僚とまだ繋がってる准一には言えなかった。
素っ気なく「じゃあね」と言うと、「ああ」と、頷いて、砂浜の方へと歩いて行った。



