強引な彼との社内恋愛事情*2


誰?と、シラをきろうかと思ったけど、逆に意識しているみたいで、出来なかった。


「久しぶり」


「本当、久しぶりね」


「千花、すごい日焼け対策」


「だって焼きたくないもの」


「相変わらず、色白だな」


そう言って笑う彼、准一(ジュンイチ)と付き合っていた頃のことを思い出したくないのに、頭の中を思い出が駆け巡ってくる。


私と内緒で社内恋愛をした末、総務の女の子と浮気。結局、私を捨てて、その子を選んだんだ。


そして気が付けば、2人は退職。社内では、私が准一をたぶらかした、なんて話になってた。


残された私といえば、ひとりで生きていかなきゃいけないという覚悟、とか。


年下でふざけた男とは付き合いたくない、とか。


社内恋愛なんか二度とするもんかってこと、とか。


そんな感情だけ残された。


別れ方の下手な男だった。


もう一生会いたくないとさえ思っていたのに。


こんなところで会うなんて、思わなかった。


だけど、これ以上話すことなんかない。


向こうへ戻ろう。そう決めたら、スマホが鳴動した。広重だった。