強引な彼との社内恋愛事情*2


振り返った瞬間、血の気がひいた。心臓の音はよく響いていて、恐怖にも似た嫌な感覚を覚えた。


「やっぱり、千花だ」


駆け寄ってくる。Tシャツに短パンにビーチサンダルの男。


嫌だ。顔、ちっとも変わってない。髪の色が落ち着いたくらいで。


だけど、偶然見かけただけで話しかけてくるだろうか。


釈然としない。


ああ。私はたぶん、この人を赦していないのかもしれない。


別れた人、だというのに。