課長と私


引っ張られて、そのままベッドに押し倒される。
私の目の前にはいつもの優しい顔とは違う厳しい顔をした彼がいた。


「ごっ…ごめんなさい起こしちゃって…。」

「どうして…そういう風に言うの。」

「え…」

「俺とは釣り合わないって何。」

「あ……それはっ」

「俺、そんなに人間出来てないから。楓の言う、俺に似合う人って何?…俺に似合う人がいるなら教えてよ。」


さっきまで自分で言っていた言葉。彼に言われると別の言葉のようになった。

彼の言葉がどんどん胸に刺さっていく。
私は言葉が詰まっていった。

先輩が、怖い。
うっすらと涙が溜まっていく。


「好きでもないやつを部屋にあげたりしない。好きでもないやつに合鍵なんて渡さない。こんなに心配したり、気にしたりしない………俺は…!!!」


声が大きくなって、その度にビクビクと反応する私を見て先輩の動きが止まった。
いつの間にか涙が頬を流れていく。

分かってる。分かってるんだ。
先輩の気持ちも、私の気持ちも。
好きだなんて、先輩がこんな真っすぐに言ってくれることないのに。

何でこんな、寂しい気持ちのままその言葉を聞かなきゃいけないんだろう…
そんな気持ちを表すように小さなしずくが幾度となく流れていく。