「先輩…ここに一人暮らししてるんですか?」
「うん。…引っ越ししたから、1年前くらいからだけどね。」
「すごい…」
大学生にこんな広いお家が借りれるんだろうか…
サラリーマンのうちからしたら、大黒柱が持つべき家ではないだろうかと思ってしまった。
部屋に入ったは良いが、広すぎて自分の立ち位置が全く分からない。
「そこ、座って。くつろいでいいから。」
「はーい…」
「はぁー…疲れたー」
「そういえば先輩スーツでしたね…どこか行ってきたんですか?」
「あー…内定先に挨拶?」
「え、じゃあ休んだほうが…私、邪魔じゃないですか?」
「それは大丈夫。ってか、俺が呼んだだけだし…」
先輩がうつぶせにソファに寝転がる。
そんなソファの隅っこにちょこんと座ってみるがなかなか落ち着かない。
出してもらった飲み物を少しずつ飲む。
どことなく、この雰囲気が好きだったりはする。
「ねぇ…楓ちゃんってさ、一人暮らしだっけ?」
「はい。大学入る少し前からですけど…」
「料理、出来る?」
「まぁ…一般的なものは大体…」
「洗濯は?」
「…出来ますけど…」
「俺、家事全般苦手。」
「そう…なんですか。」
さっきからのこれは何の尋問なんだろう…
うつぶせに寝転んでいた彼がようやく体を起こし、顔が見えるようになる。
