「あ……楓、ちゃん?」
しばらくしてぼそっと私の名前を言った。
覚えてくれていたんだ…。
ちょっとびっくり。
「あ、はい…。よく覚えてましたね…1回か2回ですよね会ったの…」
「覚えてるよ…字が……すごい綺麗だったから。」
今度は私が持っていたウーロン茶を落としそうになってしまった。
こんな言葉が私の胸をわし掴みにした。
「ねぇ。」
「へ……。」
「…良かったら、連絡先教えて?」
「へ…あ、はい…。」
放心状態の私に自分の携帯を差し出してくる彼にひたすらドキドキしていて、鼓動が休まらない。
連絡先を聞かれたということは…
少しだけ期待してもいいのだろうか。
…もしかして、皆にもこういう感じ…?
会話という会話はこのくらいで
彼がそのあと就活疲れでお酒も飲んでいないのに眠ってしまった。
そんな姿を眺めて、私も飲み会を終えた。
久しぶりの和田さんにウキウキしていた秋穂は幸せそうで、帰り道はずっと和田さんの話。
聞いてはいるものの私の頭の中はずっと柳瀬先輩のことでいっぱい。
これは…
「これは…どうすれば…」
「え?どうした楓?」
「あ…ううん……いやぁ」
「何それ…。あ、まさか!柳瀬先輩と何かあった?」
え、何でバレたの…エスパーか……!?
