課長と私


「やっ…やだ……!」

「やっと2人きりだね。…ずっと待ってたんだ。」

「は…っ!離してっ!!!やだ…っ!!!」


涙がボロボロと出て、完全にパニックになっている。
両腕を掴まれて抵抗ができない。
足をばたつかせても全く意味を持たない。

どうしようどうしようどうしよう…
先輩…


「これから、ゆっくりと気持ちよくさせてあげるから。」


片方の手でシャツのボタンを1つ1つ取られていく。
慣れない感覚。先輩とは違う感覚。
気持ち悪い。怖い。
その小さな仕草さえ、先輩とは違う。

お願い助けて…



「…せ……んぱぃ……」

「何回言わせるんだ、あんな男のことは考えないで、俺を見て。ほら…」

「やっ……!!!」


先輩以外の男の人が、私の頬に触れる。
涙で視界が揺らぐ。

そこに映るのは、今までに見たことのない不敵な笑いを見せた真鍋さんだった。
徐々に近づいてくる顔に、震える体の最後の力で声を出す。



「りょぉ……亮っ!!!!」


呼んでもそこにはいないのに。
いないはずなのに。


大好きなその人の名前を呼ぶことしか、私には出来なかった。

諦めて、抵抗する腕の力をフッと緩めたとき。


遠くから、大きな音でドアを開く彼の姿が真鍋さん越しに見えた。