「いいもん……今日は帰る。」
変わらずムスッとしている私は会社を足早に出て駅へ向かった。
ストーカーからのメールも落ち着いてはいるし、きっと大丈夫。
今日1日だけ。
先輩もちょっとは私の言葉に耳を傾けてほしい。
だからこそ、1回離れたほうがいいと思う。
すぐに私のアパートの最寄り駅についた。
辺りは暗かったが、久しぶりに家に帰れるということもあって不安は無かった。
「あれ?須藤さん?」
「あ、真鍋さん。お久しぶりです。」
アパートに入って階段をあがり、部屋の前につくと煙草を吸っている真鍋さんに会った。
真鍋さん、煙草なんて吸う人だったけな…
少しの違和感を持ちながら自分の部屋の前で立ち止まる。
「しばらく見かけなかったけど…どちらに?」
「あ、いやー…ちょっといろいろあって、彼の家の方に居ました…。」
「あの彼氏さんのとこかぁ…かっこいいですよね、彼。」
「えっ!?あ、そーですねぇ…顔はまぁ…かっこいいですけど…。」
「けど?」
「家事、私がいないと出来ないですし…仕事してる時と大違いです…。でも私が辛いときとか、何でかいつも近くにいて…助けてくれて……って、私何言ってんだろう…。」
真鍋さんに先輩のこと言っても何も変わらないのに。
きっと呆気にとられているだろうと思って表情を伺う。
顔をおそるおそる上げると、そこには今までの優しい真鍋さんの顔とは真逆の全くの別人が目に映った。
