課長と私


私が先輩の家に来てから数日後。
メールは少しだけ落ち着いて、1日に2通程度。前はもうちょっと頻繁に来ていた。
1番ひどい時と比べると、少なくはなっている。

相変わらずの状況に、緩奈も心配をしてくれていて時々様子を聞きにくる。
彼の家に泊まらせてもらっていることを告げると、安心してくれた。にやけ顔と一緒に。


「緩奈ー、コーヒー持ってくるけど何か持ってこようか?」

「うーん、私もコーヒーで!」

「了解。ちょっと待っててね。」


給湯室にコーヒーを入れに行く。
携帯を確認するとストーカーからのメールが来ていた。


「君に…会いたい。どこにいるの…。」

「誰に会いたい?」

「ひっ!!」


後ろに仕切りとして引いてあったカーテンが開けられ、そこから先輩がのぞいていた。
誰かに見られないようにか、狭い給湯室に入ってくる。


「先輩も何か飲みます?」

「ブラック。」

「はーい。」

「ねぇ、またメール来たの?」

「あはは……私に会いたいみたいですね…」


乾いた笑いと共に、沸いたお湯をインスタントコーヒーに注ぎ込んでいく。
今は先輩が近くにいるため感じないが、一人になったときに急に不安になるのは内緒だ。


「あのさ、楓ちゃんの隣に住んでる男の人…」

「男の人?真鍋さんですか?」

「そう。あの人…いつから住んでるの?」

「え?うーん…私が越した時にはもういましたねぇ…」

「電話番号とか、メールアドレスとか…教えた?」


もしかして先輩…
あの優しい男No.1の真鍋さんを疑ってるの??

私にだって人を見る目はあるつもりだ。
信頼している人を疑われてムッと来ない人はいないと思う。