課長と私


どうしよう…
私だけじゃなくて、先輩のことも見られてただなんて。
心臓がバクバクと音をたて始める。


「楓ちゃん、内容は?」

「あ…えっと、君にはその男は似合わない…だそうです。」

「…自分なら似合うって言いたいみたいだね。」

「そ…それは……うーん…。」


会ったことも話したこともないしなぁ…
ちょっとそういう出会い系的なものはなぁ…


「真剣に悩まなくて良いから…。」

「わっ分かってますよ!」

「楓ちゃん危なすぎ。本当に鈍感なんだから…」


そんな話をしている内に、あっという間に先輩宅。
部屋にあがって、私の大きな荷物をソファの近くに置く。

私も手で持っていた荷物を近くに置いて、中からスーツを何着か出していく。


「クローゼットの空いてるところ使っていいよ。」

「ありがとうございます。使わせてもらいますね。」

「会社行くとき、車乗っていく?」

「そ、そういえば考えてなかった…」


ダメだぁ……
同じ車で同じ時間に会社行くなんて…バレに行ってるようなもの。
せっかくここまで秘密で来ているのに。


「いえ、電車乗ります。」

「でも…駅まで距離あるでしょ。」

「大丈夫です。…たぶん。」

「…行きだけね。駅の近くまで送ってくから。」


帰りはプレゼンの時のように、先輩がコンビニで待ってくれることになった。
本当にお世話になりっぱなしで申し訳ない…


「さて…一緒に風呂でも入る?」

「は、入りませんよー!!!」


近づいて来た先輩をクッションでたたく。

先輩は相変わらずマイペースだけど、実は私は一緒にいられる時間が増えて嬉しいと思っていたりする。