「わー…ちょっとチャラい亮くんだ…」
「…髪長いな」
「先生に怒られませんでしたか?…あ、ほらワイシャツも出してる」
「周りの奴の方がひどかったから、あんまりマークされなかったかも」
「そうなんですか。でも、この時からかっこいいなぁ…」
「…もっと言って」
休日の昼下がり。
私がめちゃくちゃお願いして、彼の高校の時のアルバムを引っ張り出してきた。
「亮くんがいる写真、絶対女の子いるんですね…」
「そうだっけ…?」
「モテたんでしょうね……」
「いや…」
「天然タラシでしたね?」
「え…タラシてないよ…」
このビジュアルでモテない訳ないじゃない…
廊下すれ違っただけでドキドキするんだろうなぁ…
彼と同じ高校生活、送ってみたかったと思ってしまう。
「誰なんですか。」
「ん?」
「この中にいるんでしょ、彼女…」
「いないよ。」
「じゃあ…この写真の中ですか?」
「いないって…」
「学年が違うとか?」
「あー…なんて言うか…遊ばれてはいた、かも」
亮くんが、遊ばれて…????
意外な発言に驚いて彼の方を見る。
一体誰がそんな…
「あの…それは、どういう…」
「楓ちゃん興味あるの?」
「う…うーん、ちょーっとだけ……あ、でもなぁ……」