「とりあえず!本当に良かった!!こんな綺麗なお姉さんが出来て、俺は嬉しい!」
満足そうに笑う彼を見て、暖かい気持ちになった。
本当にいい家族だ。
「雅人、ありがとうな。いろいろ手伝ってくれたんだろ、姉さんに聞いた。」
「え、そうだったの?雅人くん…ありがとう。」
「ちょっ…何で言うかなぁ……恥ずかしいじゃん。」
くしゃくしゃとセットしてある髪を崩していく。
恥ずかしそうにしている表情をみて、隣にいる彼に似ているなと感じた。
本人には言わないけど。
「じゃ!俺はこの辺で!あとは新婚さん2人でいちゃいちゃしててくださーい」
「おい…」
亮くんの言葉を遮るように扉を閉めていく。
嵐が過ぎ去ったようだった。
「なんか…ごめん。」
「気にしてないですよ、それより雅人くんが手伝ってくれただなんて、意外です…」
「何だかんだ家族好きなんだよなあいつ。」
「確かに。この間の挨拶に行った時もそうでしたね。優しい弟さんで良かったですね。」
「…楓ちゃんの弟でもあるからね。」
「あ…そうでしたね、しばらく慣れ無さそうです…」
血は繋がらなくとも、私に弟が出来た。可愛い弟。
「失礼します。成瀬様、申し訳ないのですがお時間が…」
式場のスタッフさんの一声で会場を出る時間を過ぎていることに気づく。
写真を撮ろうなんて私が言ってたから…
「ごめんなさい、すぐに出ます!」
「こら…その恰好で出られないでしょ。」
「そ、そうでした…」
「もう少しだけ時間貰えますか?」
「大丈夫ですよ、ゆっくりで構いません。」
スタッフさんが優しくて良かった。
ドアが閉まり、また二人きりの空間になった。
