課長と私


「本日は、急なスケジュールの中式に来ていただいて、本当にありがとうございました。僕の姉がいろいろと手伝ってくれたからこそ、こんなに素敵な式を開くことが出来ていると思います。そして、隣にいる彼女にも、素敵なドレスを着せてあげることができました。」


彼の方に視線を合わせると、優しい顔をしてこちらを見てくれていた。
会場の証明に照らされているからか、どこかの王子様にも見える。
…感化されすぎだろうか。


「彼女と授かった、新しい命と一緒にこれからの人生を歩んでいきたいと思っています。楽しいことも、悩むこともあると思います。僕たち二人では乗り越えられないこともあるかも知れません。その時は…皆さんの力を貸してほしいです。いつか100倍にして必ず返します。」


会場から暖かい笑いが出た。すごく良い雰囲気だ。


「簡単ではありますが、僕たちからの挨拶とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

彼の言葉と一緒に私も深々と頭を下げる。
式が出来たこと、ドレスが着れたこと、みんなが来てくれたこと。何をとっても感謝しかない。
皆の協力がなければ成し遂げられないものだった。

さっきの彼の挨拶のように、いつかここにいる人たちに恩返しが出来ればと思った。


暖かい拍手と雰囲気の中、結婚式は終わっていった。



「あの、亮くん…来てくれた人たちをお見送りしたいんですけど…だめですか?」

「体調は?」

「大丈夫です。そんなに大人数ではないし、どうでしょう?」

「んー。そうだね、出入り口のところまで行ってみようか。」

「はい…っ!」


歩くたびにきらきらと光るドレス。たくましい彼の腕に捕まり、出入り口まで歩いた。