「楓~…可愛いよ~」
「秋穂ちゃん魚眼レンズ長すぎるでしょ…どっから買ってきたのそれ…」
秋穂が高そうなカメラを私たちに向けてくる。
隣には和田さんがいる。
二人は1度別れてしまっていたけど、ちょっと前からまた付き合い始めた。
結婚も秒読みかもしれない。
「楓!こっち向いて!課長イケメンすぎ…ッ!!!」
「おい、お前うるさいって…少しは落ち着けよ」
「もう!あんたこそもうちょっと2人を暖かく見守りなさいよ!」
「暖かくってなぁ…って話聞けよ!」
藤崎と緩奈の言い合いが面白くて笑ってしまった。
同期が仲良くてうれしい。
遠目にそれぞれの両親が見える。
彼の家族が全員揃うと顔面偏差値がすごい。
壇上にある席までゆっくりと歩く。
「楓ちゃん段差気を付けて。」
「あ…ありがとうございます。」
「料理あんまり食べれないって聞くけど残念だよね」
「ふふふ。そうですね、でも皆が楽しんでくれるなら私も嬉しいです。」
席について、一息。
今度は式場のスタッフさんが司会進行してくれる。
案の定、会社のお世話になった上司や、仲の良い友人代表のお話を聞いていて、目の前に出された豪華なご飯は眺めるだけで終わってしまった。
だけど、会社の方達の言葉は亮くんがどれだけ上司から信頼されていたかが分かったし、仲の良い友達はどれだけ私たちが愛されているのかが改めて分かった。
じんわりじんわりと胸の奥があったかくなっていく。
あっという間に時間が過ぎて、式の終わりが近くなってきた。
「ここで、新郎より皆様に一言お言葉をいただきます。」
司会の言葉にスッと立ち上がる彼。
