課長と私


先輩、他の女の人にも連絡先をあんなに簡単に教えちゃうんだ……

胸の奥がチクチクする。
というか、痛くてモヤモヤする。


「楓ちゃん。」

「ひっ…!」

「盗み聞きしてたでしょ。」

「え…いや、そんな…聞こえちゃったんですよっ」

「それを盗み聞きっていうの。ほら、スーパー寄るんでしょ?」


物陰に隠れていた私をいとも簡単に見つけ出した。
私が盗み聞きをしていたのにも関わらず、通常営業の先輩。

どこから出てくるんだその自信。


「先輩、何食べたいですか」

「んー…肉。」

「和食で肉料理ですか…うーん。」


スーパーについた私たちは買い物をし始めた。

傍から見たらカップルに見えるだろうか…
それより…私はさっきのことで悶々としている。


「あの…先輩。」


痺れを切らして私から声をかける。


「ん?」

「あの、さっきのことなんですけど…」

「さっき?……あぁ。」

「長坂さんのことで…あの…えっと。」


言おうと思ってはいるのに、なかなかうまく言えない。