まぁ…私も本当はあんまり実感が湧いてないんだけど…
「行こっか。たぶん朝食の支度終わってるよ。母さん早いんだよ…」
「え!もっと早く言ってくださいよ!」
「いいんだって。母さんにも姉さんにも同じこと言われるよ。」
「でも…」
「じゃないと俺が怒られる。」
「…分かりました。」
表情がガラっと変わってしまいそれ以上は言えなかった。
リビングに行くと、彼の言った通り朝食がすでに出来上がっていた。
「おはようございます。」
「おはよう。昨日はよく眠れたかい?」
コーヒーを片手に笑顔を向けるお父さん。
我が家には絶対出ないような朝から豪華な食事。
百合さんもお母さんも本当に料理が上手だ。
「すいません、お手伝いが出来なくて…」
「いいのよ。楓ちゃんはゆっくり休むことがお仕事なの。」
「寝起きの楓ちゃんも可愛いなぁ」
「うるさいよ雅人。ってか年上の女性にちゃん付けありえないから。」
「なんだよ、親睦を深めちゃダメなのかよ。」
「二人とも朝から騒がしい。静かに食べなさい。」
「「はーい…」」
すっかりおとなしくなった2人をよそにお父さんは通常営業だ。
「今日はこの後どうするんだ?」
「帰って…ゆっくり休むかな。」
ちらっとこっちを見て話を進める。
体のことを気にしてくれているのだろうか。
「えー!もう帰っちゃうのかよ…ってか、式は?結婚するんだろ?」
「そうよ、式はしないの??」
「そうですね…」
プロポーズをされたとき、2人で少しだけ話をした。
だけど間もなくして妊娠が分かって…
どんどん膨らむお腹でドレス着るのは大変だと思って時期をずらそうかという話になっていた。
「簡単なもので良ければ知り合いがいるよ?」
