「んっ…は……ぁ…んぅ…」
部屋に響くリップ音。
キスだけなのにとろけてしまいそうだ。
「朝からエロいね…」
「はぁっ……珍しく、素直に起きたと思ったら…っん」
亮くんの家に泊まらせてもらった翌朝。
いつものように強引に彼を起こしたがために反撃にあっている。
「んぅ…っ……はぁ、はぁっ…ん…っ」
「舌、もっと出して…っ」
「りょぉ…っん……ぁ」
「…はぁ………っ」
つうっと銀色の糸がひかれる。
「もぉ…っだめ、です!」
厚い胸板を押した。
不服そうな顔だ。
朝からこんなんじゃ体がもたない。
「具合、大丈夫?」
「出来ればこんなことする前に聞いてほしかったです…」
「そ?…頭痛い?吐き気は?」
「大丈夫…です!」
「わっ」
仕返しに抱きしめ返してみる。
「夜這い……朝這い?」
「単純にハグでいいじゃないですか。…ふふ。」
気持ちが軽い気がした。
結婚も、赤ちゃんのことも許しをもらえたからかもしれない。
考えることが結構ストレスだったのかも…
「さて…私は何か手伝いをしてきます。」
「いいよ。楓ちゃんお客さんなんだから。」
「いやいや…だって、その、あの…」
「ん?」
「……家族に…なるんですもん…」
「……。」
皆優しい人だし、1日にでも早く仲良くなりたい…
「…そっか。何か実感沸いて来たかも。」
「実感沸いてなかったんですか?」
「結婚は…結構考えてたけど。家族…か。」